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おかあさんといっしょ「かおのてんらんかい」とは?人気コーナーの魅力を徹底解説

Author

Isabella Harris

Published Aug 15, 2026

NHK Eテレ おかあさんといっしょ 子ども向け番組のイメージ

子どもが画面の前で思わず笑顔になる。そんな瞬間を何十年にもわたって生み出してきたNHKの人気番組「おかあさんといっしょ」。その中でも、視聴者の記憶に根付いたコーナーのひとつが「かおのてんらんかい」だ。子どもたちのあどけない表情を映し出すこのコーナーは、単純なようでいて、幼児の感情発達に深く関わる工夫が随所に詰め込まれている。

「おかあさんといっしょ」という番組について

「おかあさんといっしょ」は、NHKで1959年(昭和34年)10月5日から放送されている2〜4歳児向け教育・音楽番組で、現在NHK Eテレおよび国際放送のNHKワールド・プレミアムで放送されている。日本のテレビ放送の歴史とともに歩んできた、正真正銘の長寿番組だ。略称は「おかいつ」。子どもを持つ親ならば誰しも一度は耳にしたことのある名前だろう。

番組開始当初は『母と子が一緒に楽しむエンターテイメント番組』というスタイルで、毎週月曜日、20分の生放送だった。それが時代とともに形を変え、歌・体操・人形劇・アニメと多彩なコーナーを持つ総合的な幼児向けエンターテインメントへと進化していった。その懐の深さこそが、世代を超えて愛される理由のひとつだ。

現在も2歳ごろから楽しめる教育エンターテインメント番組として、歌・体操・人形劇・アニメなど楽しいコーナーがいっぱいで、幼児の情緒や表現、言葉や身体の成長を応援している。保護者にとっても、子どもと一緒に座って笑える数少ないテレビ番組として評価は高い。

子どもたちの豊かな表情 笑顔や驚き顔のイメージ

「かおのてんらんかい」とはどんなコーナーなのか

「かおのてんらんかい」、漢字で書けば「顔の展覧会」。その名のとおり、子どもたちのさまざまな表情——笑い顔、泣き顔、驚いた顔、怒った顔——をテレビ画面いっぱいに映し出すコーナーだ。幼い子どもが全力で「変顔」をしたり、照れながら笑ったりするその姿は、見ている大人の心も自然とほぐしてしまう。

コーナーの核にあるのは「表情を使った自己表現」だ。言葉でまだうまく感情を伝えられない2〜4歳の子どもたちにとって、顔の表情は最も直接的なコミュニケーションツールになる。このコーナーはそれを存分に引き出す仕掛けとして機能している。画面越しでも視聴者の子どもが思わずマネをしてしまうような構成で、受け身にならず能動的に楽しめる点が評価されてきた。

「かおのてんらんかい」は「これなあに」「すりかえかめん」などほかの人気コーナーとともに、番組の「人気コーナーまるごと大集合!」企画でも取り上げられるほどの存在感を持つコーナーだ。雑誌の付録やシールあそびにも繰り返し登場しており、テレビを超えたメディア展開でも子どもたちに親しまれてきた。

なぜ子どもたちはこのコーナーに夢中になるのか

幼児教育の観点から見ると、「かおのてんらんかい」が子どもに与える刺激は決して小さくない。顔の表情を認識する能力——いわゆる「情動認知」——は、3歳前後から急速に発達することが知られている。画面上で次々と変わる表情を見て笑ったり驚いたりする体験は、その発達を自然な形でサポートする。

また、自分が「面白い顔を作れる」という体験は、子どもにとって小さな自信になる。恥ずかしがり屋の子が初めて変顔に挑戦し、笑いをとる——そんな家庭での小さなドラマが、全国各地で毎日繰り広げられてきたはずだ。親と子が同じものを見て笑える共有体験も、「かおのてんらんかい」が長く愛されてきた大きな要因だろう。

視聴者参加型の構成も見逃せない。番組に登場する子どもたちは特別な子ではなく、どこにでもいる普通の幼い子どもたちだ。それだけに、見ている子どもが「あの子、自分と同じくらいだ」と感じ、自然に感情移入できる。テレビとの距離が縮まる、ちょうどよい温度感がある。

親子で一緒にテレビを楽しむイメージ

番組の歴史の中に刻まれた「かお」の記憶

「おかあさんといっしょ」は、実に60年以上の歴史を誇る。1959年10月5日に開始し、番組構成が変更されながらも現在に至るまで放送され続けている長寿テレビ番組で、NHK、また日本を代表する番組のひとつだ。その長い歴史の中で、数えきれないほどのコーナーが生まれ、そして役目を終えてきた。

それでも「かおのてんらんかい」が語り継がれるのは、コンセプトがシンプルだからだ。特別な仕掛けもない。豪華なセットもいらない。ただ、子どもの顔をまっすぐカメラが捉える。それだけで笑いが生まれ、感動が生まれる。テレビという媒体が持つ原点的な力を、このコーナーは静かに示している。

新聞テレビ欄などでは字数制限の都合上「お母さんといっしょ」などと表記される場合があるが、本来は「おかあさんといっしょ」とすべてひらがなで表記するのが正しい。この細部へのこだわりにも、番組制作者たちが子ども文化を真剣に考えてきた姿勢がにじみ出ている。

「おかいつ」コーナーの現在と変化

Eテレの「おかあさんといっしょ」では、お兄さんお姉さんたち・視聴者の子供たちによる短いコーナーが放送されており、このコーナーが日替わりで曜日ごとに楽しむことができる。2026年現在も、番組は時代に合わせてコーナーを更新し続けている。

2026年度からは新しいコーナー「ファンファンコロリンパ」が月曜日に放送されるようになり、サイコロを投げて出た目に描いてあるイラストと同じことをして遊ぶコーナーとなっている。このように番組は常に新しい試みを取り入れながら、根底にある「子どもが主役」という姿勢を変えることなく続いてきた。

「かおのてんらんかい」のような参加型・表情表現系コーナーが今なお語られるのは、それが番組の原点にある哲学を体現しているからだ。子どもの顔こそが、最高のエンターテインメントだという考え方。その考えは時代が変わっても色あせることがない。

親世代が「かおのてんらんかい」を懐かしむ理由

いまの子育て世代——30代から40代の親たちの多くが、かつて自分自身もこのコーナーを見て育っている。幼い頃に画面の前で一緒に変顔をした記憶は、大人になってもどこか鮮明に残っているものだ。我が子が同じコーナーを見て笑う姿に、自分の幼少期を重ねる。その二重の感動体験が、「おかあさんといっしょ」というコンテンツの持つ独特の強みでもある。

世代を超えて多くの親子から愛され続けてきた番組として、「おかあさんといっしょ」の美術セットや歴史を体験できる企画展が開催されるなど、番組への愛着は放送の枠を超えた文化現象になっている。「かおのてんらんかい」はその文化的な広がりの中でも、象徴的な存在として繰り返し言及される。

SNSの時代になってからは、親が子どもの「かお」を撮影して投稿する文化とも相性がいい。番組をきっかけに自宅でも「顔の展覧会」が始まり、その様子がネット上に広がっていく。時代が変わっても、「顔」が持つコミュニケーションの力は変わらないということを、このコーナーは証明し続けている。

家族で笑い合う子どもの表情のイメージ

「かおのてんらんかい」が教えてくれること

表情を豊かに使える子どもは、感情表現も豊かだと言われる。「かおのてんらんかい」が長年にわたって子どもたちに提供してきたのは、笑いや驚きといった感情を思い切り顔で表現していい、という安心感だ。テレビが「こんな顔をしていいんだよ」と語りかけてくれる。その小さなメッセージが、子どもの心に静かに積み重なっていく。

また、このコーナーを通じて子どもは「他人の表情を読む」練習も自然に積んでいる。画面に映る友達の顔が「笑っている」「困っている」と気づく経験は、共感能力の土台を少しずつ作る。遊びの中に教育が溶け込んでいる——それが「おかあさんといっしょ」のコーナー作りに一貫して流れている思想だ。

大げさに言えば、「かおのてんらんかい」は子どもたちに「顔で語ること」の喜びを教えてくれる場所だ。言葉が完成する前の時代に、表情という原始的で普遍的な言語を使って世界と繋がる——そんな体験が、毎朝のテレビの前に用意されていた。それがいかに豊かなことか、大人になってから初めて気づく親も多いのではないだろうか。

まとめ:「かおのてんらんかい」が愛され続ける本質

「おかあさんといっしょ」の「かおのてんらんかい」は、シンプルさの中に深い教育的意図と、純粋な笑いを持つコーナーだ。子どもの表情そのものをコンテンツに変えるという発想は、今見ても新鮮さを失っていない。長寿番組の中で語り継がれてきたこのコーナーは、過去を懐かしむだけの存在ではなく、これからの子育て世代にとっても参考になる「表現教育のひな型」とも言えるだろう。画面の前で一緒に変顔をしてみる——そんな些細な時間が、親子の絆をつなぐ大切な一コマになっていく。