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フォレストアドベンチャー死亡事故の真相と安全対策を徹底解説

Author

Sarah Rowe

Published Aug 16, 2026

「フォレストアドベンチャーで死亡事故が起きた」という言葉をネット上で見かけたことがある人は少なくないだろう。実際に検索してみると、様々な情報が入り乱れており、何が事実で何が誤解なのか、判断するのが難しい。アウトドア体験を子どもや家族と楽しもうとしている人にとって、この問題は決して他人事ではない。

フォレストアドベンチャーのジップラインコース

フォレストアドベンチャーとはどんな施設か

まず前提として、フォレストアドベンチャーというものを正確に理解しておく必要がある。フォレストアドベンチャーとは、森の中の空中を渡っていくフランス発祥のアウトドアパークであり、自然の樹木や地形を活かした自然共生型施設として、日本では2006年8月にFUJIが第一号施設としてオープンした。それから約20年、全国各地に施設が広がり、今では家族連れや学校行事でも広く利用されている。

体験の基本的な仕組みはシンプルだ。利用者は専用のハーネスを着用し、定められたルールを守って、自己責任で樹の上にのぼり、わたり、滑り降りる。各パークがそれぞれの特徴を持っており、同じパークは存在しない。自然の地形をそのまま活用するため、同じ「フォレストアドベンチャー」という名前でも、場所によってコースの難易度や雰囲気はまったく異なる。

「死亡事故」という検索ワードが広がった背景

ネット上で「フォレストアドベンチャー 死亡」というキーワードが検索されるようになった背景には、いくつかの要因が絡んでいる。フォレストアドベンチャーと混同されやすい類似のアドベンチャー施設での落下事故が報じられたことが、その一因として挙げられる。

この点について、フォレストアドベンチャーの運営元は明確な声明を発表している。類似施設で発生した落下事故に関して、事故が発生した当該施設とフォレストアドベンチャーは一切関係はなく、フォレストアドベンチャーのシステムは当該類似施設とは異なる安全基準・安全システムを採用している。つまり、報道を受けて心配になった人々が検索を重ねた結果、フォレストアドベンチャー自体への不信感として拡散されていった可能性が高い。

また、2013年の官報には、フォレストアドベンチャー箱根施設の周辺の雑木林内で身元不明の男性が発見されたという記録が残っている。平成25年7月14日、箱根町湯本のフォレストアドベンチャー箱根南側雑木林内で推定年齢40〜60歳の男性が発見され、死因は縊死と記録されている。これはアクティビティ利用中の事故ではなく、施設の外周にあたる林内で起きた全く別の事案だ。しかし「フォレストアドベンチャー=死亡」という印象がネット上に定着してしまったことは否定できない。

ハーネスを装着してアウトドア体験をする様子

実際に報告されている事故事例

「死亡事故」とは異なるが、けがや負傷の報告がゼロかと言えば、そうではない。口コミサイトへの投稿には、利用者が体験中にけがをした事例が記録されている。フォレストアドベンチャー秩父のトリップアドバイザーのレビューには、指導員の指示通りに遊んでいたにもかかわらず指を切断したという利用者からの深刻な報告が投稿されており、施設側の対応をめぐって強い不満が表明されている。このような個別の事案は、施設の安全管理体制そのものへの疑問につながっている。

一方で、アクティビティの「怖さ」自体に関する声も多い。同じ秩父施設のレビューでは、「死ぬほど怖かった」という表現も使われている。これは文字通りの意味ではなく、高所での体験がいかに強烈であるかを示す言葉だが、こうした表現がネット上で広まることで、実際のリスク以上に施設の「危険なイメージ」が先行してしまうこともある。

フォレストアドベンチャーの安全システムはどうなっているか

では実際のところ、同施設はどのような安全対策を講じているのか。公式情報と現地のルール説明から見えてくる体制はかなり具体的だ。

フォレストアドベンチャーはヨーロッパの安全基準EN15567-1を遵守した施設づくりを行っており、毎日オープン前にコース点検を実施するほか、毎年専門知識を有するスタッフによるチェックを受ける。さらにコース運営についてはヨーロッパ基準(EN15567-2)を日本向けにアレンジした運営マニュアルを作成し、全施設で共有して安全管理を徹底している。

具体的な安全対策のポイントをまとめると、次のようになる。ジップライン先進国のヨーロッパ基準を採用し、利用者が使用する器具はスタートからゴールまで構造上外れる可能性のないシステムを採用している。器具やコース設備は毎年・毎月・毎日のルール化された各種点検を実施し、事故発生時にも迅速に対応できるレスキューインストラクターの育成・常駐も行っている。

ハーネスの仕組みについても、公式のFAQで明確な説明がされている。地面から足が離れた瞬間から、足が地面につくまで、常に自分の体をハーネスでコースにつなげておくため、足を滑らせてもぶら下がるだけで地面までは落ちない。ただし、ルールを守らない場合は落下する可能性があるとも明記されており、フォレストアドベンチャーは非常にリスクのあるアクティビティと位置づけている。

安全点検を行うスタッフのイメージ

利用者が守るべきルールと自己責任の範囲

フォレストアドベンチャーの施設において、利用者の自己責任は非常に重要な位置を占める。施設はお客様の自己責任の下で楽しんでもらう森林冒険施設であり、危険を伴うアクティビティのためルールを守ってもらえない場合は重大な事故につながる恐れがあると明記されている。参加前に誓約書へのサインを求められるケースも多く、利用者側の意識も問われる。

主なルールには、アルコール・薬物を摂取した状態での利用禁止、サンダルやハイヒールでの参加禁止、遊歩道・広場以外への立ち入り禁止などがある。すべての利用者は安全講習を受講する必要があり、ルールを守れない場合は退場させられることもある。また、ルールを守らずに起こった事故や傷害等についてはフォレストアドベンチャーは一切責任を負わないとも定めている。

こうした「自己責任」の枠組みは、施設側に都合よく使われているという見方もある。ルールを正しく守っていたにもかかわらず事故が起きた場合、その責任の所在はどこにあるのか——この問いはアウトドア施設全般に共通する難しいテーマだ。利用者として知っておくべき権利と、施設側が果たすべき説明責任の境界線は、今後もっと明確にされていくべきだろう。

スタッフ体制と教育の実態

スタッフがコース上で利用者に付き添うかどうかも、安全上の重要なポイントだ。フォレストアドベンチャーのインストラクターは全員定められたトレーニングを受けており、安全講習を受けて合格した利用者は本番のコースに出ることになるが、スタッフが付き添うことは基本的にない。ただし地上では常にパトロールを実施しており、何かあればすぐに駆けつける体制をとっている。

この「基本的に付き添わない」という運営スタイルは、フランス発祥のコンセプトに基づいている。利用者が自分の力でコースを攻略することが体験の本質であり、過度な介助はその意義を損なうとされている。しかしその一方で、トラブルが起きた際のスタッフの対応速度や判断力が直接、安全の結果を左右することも確かだ。

類似施設との混同に要注意

「フォレストアドベンチャー」という名称は、株式会社パシフィックネットワークが運営するブランドだ。しかし日本各地には、名称が似ているアドベンチャー系アウトドア施設が多数存在する。ジップラインや空中コースを備えた施設すべてが同一ブランドではない。

実際に深刻な落下事故が報道された施設の中には、フォレストアドベンチャーとは全く無関係な事業者が運営するものも含まれていた。フォレストアドベンチャー自身も、類似施設での事故に関して「事故が発生した当該施設とフォレストアドベンチャーは一切関係はない」と明確に発表している。名称の類似性による混同が、根拠のない風評被害を生むケースは珍しくない。利用を検討する際は、施設の運営会社や安全基準を事前に確認することが不可欠だ。

家族でフォレストアドベンチャーを楽しむ様子

子ども連れで安全に利用するための確認ポイント

家族での利用を考えている場合、事前に確認しておくべきことがいくつかある。まず年齢・身長・体重の制限だ。難易度の高いアドベンチャーコースは小学4年生以上または身長140cm以上、体重110kgまでという条件が設けられている。子どもの体格や体力を正直に把握したうえで、適切なコースを選ぶことが大切だ。

また天候への注意も欠かせない。通常の雨であればオープン可能だが、雹、雷、強風の場合は安全のためクローズとなる。天気予報をしっかりチェックし、悪天候が予想される日は利用を避けるか、事前に施設に問い合わせることをすすめる。

子どもが高所に恐怖を感じた場合の対応も、あらかじめ心の準備をしておくべきだろう。構造上、コース途中での引き返しが難しい設計になっているため、「最後まで自力でやり遂げる覚悟」が必要になる場面もある。特に幼い子どもを連れて行く場合は、その子の気質や運動能力を慎重に見極めたうえで判断したい。

アウトドア施設の安全規制をめぐる日本の現状

フォレストアドベンチャーのような民間アウトドアパークに対する法規制は、日本ではまだ十分に整備されているとは言いにくい。ヨーロッパでは国際規格EN15567が広く普及し、第三者機関による認証制度も機能している。しかし日本では、こうした施設に特化した法的義務づけは限定的であり、各事業者の自主基準に委ねられている部分が大きい。

フォレストアドベンチャーがEN15567をベースにした安全基準を自発的に採用しているのは、その意味でポジティブに評価できる。ただし、同様の施設すべてが同水準の対応をしているとは限らない。利用者側が「安全対策の具体的な内容を問う」姿勢を持つことが、業界全体の底上げにもつながる。

利用前に知っておくべきこと、まとめ

フォレストアドベンチャーで死亡事故が起きたという確たる公的記録は、現時点では確認されていない。ただし、けがや負傷の報告は存在しており、すべてのリスクがゼロだと言い切ることはできない。「死亡」という強い言葉が独り歩きしている現状は、類似施設との混同や検索アルゴリズム上のノイズによるものが大きい。

重要なのは、情報を正確に読み解く力だ。どこの施設か、どんな状況で何が起きたのか——その詳細を確認せずに「アウトドア施設は危ない」と結論づけるのは早計だ。フォレストアドベンチャーに限らず、アクティビティ体験には常にリスクが伴う。だからこそ、施設の安全基準・スタッフ教育・利用ルールを事前に確認し、自分自身がしっかりルールを守ることが、安全な体験への最短ルートとなる。楽しさと安全は、両立できる。ただし、それには利用者側の準備と意識も欠かせない。